
昨年、子供に親戚から贈与を貰ったのよね。確定申告はどうすれば良いのかしら…?

最近はマイナンバーカードがあればe-Tax経由で申告・納税が全て完結できるよね!?

大人はそうなんだけど、14歳まではマイナンバーカードに電子証明書を付けることができないから、e-Taxが使えないのよ…。どうすれば良いのかしら…。

ということで、今回私が試行錯誤して行った子供の贈与税確定申告の方法について、備忘録も兼ねて記しておきたいと思います。
申告と納税
大人の確定申告の場合、申告から納税までe-Tax上で完結できますが、子供の贈与税申告の場合、大きく申告と納税と2つのプロセスに分かれます。
申告は贈与税の申告書を作成して税務署に郵送するまでのプロセスです。一方、納税は申告書で納税額を確定した後、贈与税を払うプロセスです。以下、申告と納税とに分けて解説します。
申告方法
確定申告書作成コーナーを利用して申告書作成し、印刷して管轄の税務署に郵送する形がもっとも簡単かと思います。以下、その方法の詳細です。
- 確定申告書作成コーナーにアクセスする。
- 「作成開始」をクリック。
- 「マイナンバーカードをお持ちですか」の質問に「はい」または「いいえ」で回答し、「はい」の場合はさらに「マイナンバーカード読み取りに対応したスマートフォン又はICカードリーダライタをお持ちですか」の質問が出るので「いいえ」を選択。
- 「提出方法の選択」では「書面」をクリック。
- 2025年現在、4の次にe-Taxの利用を促す画面が3回ほど表示されるので、回答が必要な場合は回答して「このまま次へ進む」をクリック。
- 「利用規約に同意して次へ」をクリック。
- 「令和X年分の申告書の作成」(Xは贈与を受けた年)の横の▼をクリック。
- 「贈与税」をクリック。
- 「贈与税の申告書作成開始」をクリック。続いて表示される「申告書作成開始」をクリック。
- 子供の生年月日を入力して「次へ」をクリック。
- 「一般の贈与」をクリック。
- 贈与者の情報(氏名・続柄・生年月日など)を入力し「次へ」をクリック
- 贈与に関する情報(取得日・種類・細目・価格など)を入力し、贈与の種類が1種類のみであれば「次へ」をクリック。2種類以上ある場合はすべての種類を入力してから「次へ」をクリック。
- 贈与者が1名のみの場合は「次へ」をクリック。贈与者が2名以上いる場合は「+贈与者を追加する」をクリックし、12~13の手順ですべての贈与について入力後、「次へ」をクリック。
- 標示される金額を確認し、問題なければ「次へ」をクリック。
- 納付方法、住所、提出先税務署、子供の氏名やマイナンバーなどを記入し「次へ」をクリック。提出先税務署が分からない場合は右の「?」マークをクリックすると調べることができます。納付方法は次の「納付方法」で説明します。
- 「申告書を表示・印刷する」をクリックすると送付用の申告書(PDF)がダウンロードされるので、確認し問題がなければ印刷する。
- 元の画面に戻り「次へ」をクリックする。
- 今後も贈与を受ける可能性がある場合、今回の入力内容を今後も利用できるので、「入力データのダウンロードページへ」をクリックし「入力データのダウンロードする」をクリックして保存する。クレジットカード納付の場合は画面中ほどにある「国税クレジットカードお支払サイト」を開いておく。アンケートに回答する場合は「アンケートの回答ページへ」から回答する。
- 画面下部の「終了(トップ画面へ戻る)」をクリック。
- 17で印刷した申告書と本人確認書類を期日までに税務署に送付(または持参)する。
納付方法
納付方法は2025年2月現在、「電子納税」「クレジットカード納付」「コンビニ納付」「金融機関等での窓口納付」があります。
なお、贈与税は、贈与を受けた本人が支払う必要があります。子供が贈与をもらった場合は、子供の資産から支払う必要があります。
どの納付方法がベストか?
手数料を気にしなければ「クレジットカード納付」がもっとも早いと思います。ただし子供はクレジットカードを作ることができないため、親が立て替える形になります。手数料を払いたくない場合は「電子納税」「コンビニ納付」「金融機関等での窓口納付」から選ぶことになります。
「電子納税」はインターネットバンキングかPayPay、楽天Payなどのスマホアプリを利用して支払う方法です。今後も贈与を受ける可能性がある場合で、インターネットバンキングか決済用のスマホアプリを利用できる場合は、初回の登録が少し面倒ですが自宅で完結できる「電子納税」が楽かと思います。
ファミリーマート、ローソン、ミニストップなど国税の納税に対応するコンビニエンスストアがお近くにある方は「コンビニ納付」が便利です。手数料はかかりません。
郵便局や金融機関がお近くにある方で今後贈与を受ける可能性がない場合は、コンビニエンスストアより少し面倒ですが「金融機関等での窓口納付」が良いかもしれません。
クレジットカードによる納付方法
手数料がかかりますが、もっとも簡単な方法です。国税クレジットカードお支払いサイトから支払い手続きを行います。ただし、子供はクレジットカードを持っていないため、一旦親が立て替える必要があります(建て替えるという方法が厳密には正しいのかは分かりません)。
- 国税クレジットカードお支払いサイトにアクセス。
- 申告方法17の申告書に記載された納税額を入力、同意事項(2箇所)にチェックを入れ、「同意して次へ進む」をクリック。
- 以下、「納付情報入力」「決済情報入力」「納付内容確認」の順に画面の指示に従って入力。
- 納付完了後、親が立て替えた贈与税・手数料分の現金は子供の資産から親に移し、念のため記録を残しておく(銀行口座のやり取りの場合、記録が残るので良いかも知れません)。
電子納税
e-Taxで開始届出を行い、利用者識別番号を取得した上で、納付情報登録依頼を作成し、インターネットバンキング又はスマホアプリから納税する方法を解説します。初回のみ、e-Taxの開始届出を行って利用者識別番号を取得する必要があります。
e-Taxの開始届出(初回のみ)
- 開始届出(個人の方用)新規にアクセス。
- マイナンバーカード又はスマホ電子証明書を「お持ちでない方はこちら」をクリック。
- 以下、「氏名等の入力」「納税地等の入力」「暗証番号等の入力」の順に、画面の指示通りに入力。
- 入力内容の確認後、「利用者識別番号等の通知」が表示されるので、利用者識別番号や暗証番号などをメモまたはスクリーンショット等により記録する。
納税手続き
- e-Taxの個人ログイン画面にアクセス(e-Taxのウェブサイト内の「ログイン」からもアクセス可能)。
- 下の方にスクロールし、利用者識別番号と暗証番号を入力して「ログイン」をクリック。
- 「申請・納付手続を行う」をクリック。
- 必要であれば「事前準備セットアップへ」をクリックし環境を確認する。必要でなければ、または確認後「スキップする」をクリック。※納税のみの場合はほぼ「スキップする」で問題ないかと思います。以降の手続きがうまくいかないようであればここに戻って「事前準備セットアップへ」で確認すれば良いと思います。
- 新規作成欄の「操作に進む」をクリック。
- 「納付情報登録依頼」をクリック。
- 提出先税務署等を確認し、「次へ」をクリック。
- 「1.新規に納付情報登録依頼を作成する」を選択し「次へ」をクリック。
- 税目欄は「贈与税」を選択し「次へ」をクリック。
- 課税期間を入力し、申告部分は「確定申告」を選択し、「次へ」をクリック。
- 本税欄に贈与税の金額を入力し、「次へ」をクリック。
- 確認画面で問題がなければ「次へ」をクリック。
- 「送信」をクリック。
- 左サイドバーの「送信結果・お知らせ」をクリック。メニューの変更のPOP画面が表示される場合は「はい」をクリック。
- 受信フォルダから贈与税の納付情報登録依頼をクリック。
- 受信通知画面が開き、下の方にスクロールしていくと「インターネットバンキング」「スマホアプリ納付」「クレジットカード納付」などのボタンが表示されるので、希望する納付方法をクリック。ここでクレジットカード納付も選択できますが、クレジットカード納付であれば上記の方法がもっとも簡単です(手数料がかかります)。
- それぞれのリンク先の画面に従い納付。
コンビニ納付
ファミリーマートとローソン系列のコンビニエンスストアで納付できます。現金のみ利用できます。
- 子供の資産から贈与税分の現金を準備しておく。
- 申告方法の17で印刷した申告書にコンビニ納付用のQRコードが付いているので、対応するコンビニエンスストアに行く。
- コンビニエンスストアの端末でQRコードを読み取る。
- 端末から出力されるバーコードをレジに持参し、現金で納付する。
金融機関等での窓口納付
国税庁のホームページにも詳しく記載されていますので、そちらをご覧ください。
- 子供の資産から贈与税分の現金を準備しておく。
- 金融機関から納付書を貰う。
- 納付書の必要事項に記入する。贈与税の納税区分番号は「051」。
- 納付書と現金を添えて納税する。