武尊山山頂 前武尊 中ノ岳

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2020年秋に出産後、子供のお座りが安定する数ヶ月は登山どころではありませんでしたが、生後5ヶ月の赤ちゃんの頃からベビーキャリアに乗せることができるようになり、登山も少しずつ再開しました。ベビーキャリアで様々な山に登ってきて、これまでに気づいたことを書いていきたいと思います。現在も子供は乳児から幼児へと成長中。成長と共に体験も増えていくと思いますので随時アップデートしたいと思います。

なお、乳幼児連れの登山については、上を見ればきりがなく、例えば3歳児を連れた家族がフランスの有名な岩壁を登ったという記事を見たことがありますし、もう少し身近(?)な話では乳幼児ではないですが、五竜岳から鹿島槍ヶ岳に向けて八ツ峰キレットを縦走する小学生くらいの女児2人を連れた夫婦を目撃したこともあります。そう考えると、私が注意を促すのはおこがましいかなあと思う面もあります。ただ、ベビーキャリアを背負う夫もかなりの登山上級者で、技術的・体力的な問題はあまり気にせず登山に行く過程で、ベビーキャリア登山では危険だと感じる場所もそれなりに経験してきました。そのような体験から、「こういった登山道はお勧め(お勧めできない)」「こういう条件ならOK(NG)」というものをご紹介します。


ベビーキャリアを背負う大人の体力・技術に見合った登山道

子供の体重+自身の荷物の重さを背負って登って降りてこられるルートを選ぶ必要があります。特に最初の頃は親はもちろん赤ちゃんもベビーキャリアに慣れていません。標高差の小さな短時間ルートから始め、慣れていくにつれて徐々に標高差や時間を増やしていくのが良い思います。

安全で整備された登山道

滑落の危険のある岩場ヤセ尾根、転倒しやすく落石の危険性もあるガレ場の急坂はベビーキャリア登山では技術や脚力、体力が必要になります。また岩場やヤセ尾根は転倒したときの影響も大きくなります。一般的にはお勧めしません。

日光白根山 奥白根山 弥陀ヶ池
岩場・ガレ場の急坂は転倒の危険性が高い

濡れた木道や岩場ぬかるんだ登山道湿った木の根が露出した道も滑りやすく危険です。特に下山では転倒のリスクが増します。下山では整備された道や広い道、勾配の緩やかな道、日が当たりやすく乾いた尾根道などを選ぶなどしてリスクを減らすのがと良いと思います。

武尊山登山道の鎖場
濡れて滑りやすい岩場は非常に危険
木の根も濡れていると滑りやすく特に下山は注意
武尊山登山道 泥濘
ぬかるんだ道も非常に歩きづらい 勾配が大きいとより危険度が増す

赤ちゃんを背負っていると、日帰り登山でもロング縦走の大きなザックを背負うのに近い感覚になります。感覚がいつもと変わり、ベビーキャリアを色々な場所にぶつけやすくなります。片側が切れ落ちた狭い登山道は、ベビーキャリアをぶつけたはずみで転落する危険性が高くなるのでベビーキャリアには不向きです(もちろん両側が切れ落ちている場所も不向きです)。

水平歩道 下の廊下 黒部峡谷
切れ落ちた狭い道はベビーキャリアをぶつけたはずみで転落する危険性も

刈り払いされていない登山道ハイマツ帯の狭い登山道倒木が多い登山道は赤ちゃんの顔や体に当たらないように慎重に通過する必要があります。倒木が多いとかがんで通過する必要があるため、体力も使います。

ベビーキャリア登山で通りにくい箇所
倒木などは赤ちゃんの顔にぶつからないように慎重になる必要がある
刈り払われていない登山道は草が赤ちゃんの顔にあたらないよう注意

標高を上げ過ぎない

これはベビーキャリアを背負う大人の技術や体力に関わらず、全てのベビーキャリア登山においての注意点です。乳児や幼児は酸素の薄い場所が苦手です。また高山病の症状が出ても自己主張できません。低山から徐々に慣れさせた方が良いでしょう。少しずつ標高の高い山に慣れさせていく過程では赤ちゃんの様子をこまめにチェックし、気持ち悪そうにしていたらすぐに下山しましょう。ちなみに子供の場合、生後8ヶ月の北横岳(2480m)、生後9ヶ月の宝永山(2693m)は大丈夫でしたが、1歳4ヶ月で立山雄山(3003m)に連れて行った時は2800mくらいまで元気だったのですが、山頂ではぐったりしていたために即座に下山しました(2800mくらいまで下りるとまた元気になりました)。

残雪期立山雄山子連れ登山
立山・雄山山頂(3003m)ではあまり元気がなかった…

できる限りショートコースで

ショートコースにするべき最大の理由はオムツ問題です。赤ちゃんを登山に連れて行く場合、下のお世話がもっとも問題になります。登山道でオムツを交換する場所を探すのは意外と大変です。人目のつかない場所かつ平坦で安定した場所でなければなりません(特に大きい方は悪臭を放つため、人が近くにいないことが大前提となります)。たっちが安定した後&小さいほうであれば、立ったままササっと交換もできるのでまだ場所の選択肢は広がりますが、たっちが安定する前や大きいほうのときは寝かせるか四つん這いなどになってもらっての交換になるためにある程度広さのある安定した場所を探す必要もあります。このように登山中にオムツを交換するのはとても大変なので(さらにオムツゴミもかさ張るので)、子供が自力でトイレに行けるようになるまではできる限りオムツ交換の回数を減らせるようショートコースで登山することをお勧めします。冬は、寒い場所でのオムツ交換は赤ちゃんにも負担がかかるため、オムツ交換なしで行って帰って来られる2~3時間程度のコース(月齢にもよる)がお勧めです。

もう1つ重要な理由は、天気が急変した時や体調が悪い時など万が一のことがあった場合にすぐに下山できることです。特に月齢の低い赤ちゃんを連れて行く場合や冬季の山行では重要です。

授乳中の場合は、お母さんの胸が張るという問題もあります。ほとんどのお母さんは登山道で授乳をする度胸はないと思うので、登山中はミルクでの授乳になります。そうすると長時間のコースでは胸が張ってしまいます(これは個人差があると思います)。

車山高原スキー場から霧ヶ峰
冬季は特にオムツのお世話が困難なため、すぐに帰って来られるショートコースで

降水確率が低い日時を選ぶ

雨の予報が出ている時、ベビーキャリア登山は避けるべきです。滑りやすくなって転倒するリスクが増えるだけでなく、オムツ替えや食事など赤ちゃんのお世話もできにくくなります。赤ちゃんはずっとキャリアの上で運動していないため、悪天候下では大人以上に冷えの問題も発生します。大人が自分のことに精いっぱいになると赤ちゃんの様子をこまめに見ることを怠りがちになります。雨上がり直後も滑りやすいことが多いので、十分日差しが届いて乾いてからの登山がお勧めです。

奥日光・華厳の滝
雨の日は無理に登山をせず観光などにプラン変更を

大人は2人以上で

乳幼児と一緒に登る登山は、実は赤ちゃんを背負うだけではなく、付随してたくさんの荷物が必要になります。またベビーキャリアを背負う人は赤ちゃんの表情をこまめにチェックすることができません。できれば父母+子供など、大人2人以上で登山に行き、1人が赤ちゃんを背負い、もう1人が赤ちゃんの様子を見ながらお世話グッズを背負うというのがお勧めです。

ロープウェイを利用した登山はおすすめ!

北横岳入笠山日光白根山のようなスキー場のロープウェイを利用する登山、結構おすすめです。標高を稼ぐことができて時間短縮にも体力の温存にもなるということもありますが、何より山麓にレストハウスがありオムツ替えや授乳、食事といった面で便利だからです。例えばトイレにオムツ交換台があって登山前や下山後のオムツ替えがスムーズにできたり、食堂に子供用の椅子があるため下山後離乳食を与えやすかったりします。オムツ専用のごみ箱が設置されている場所もありました(持ち込みゴミは止めましょう)。立山黒部アルペンルートには授乳室がある駅もありました。

立山黒部アルペンルート大観峰駅
立山黒部アルペンルートには授乳室がある駅も

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