前回に引き続き、今回は10回目の双子山です。2000mもない低山ですが、実は富士山麓(静岡県側)は夏とても涼しいのです!登山口となる富士山御殿場口五合目の標高は1400m程度ですが、下界が35度を超える猛暑日でも20度台中盤だったりします。
双子山は富士山御殿場口五合目から短時間で周回でき、前半は森林、ほぼ中間地点に幕岩、後半は富士山や宝永山、山中湖や海などを見渡せる変化にとんだコースで、季節を変え何度もリピートしていましたが、8月上旬に山梨県側にお引越しをすることになったため、恐らく今回が最後の双子山になりそうです。これまでは要所要所での景色が中心でしたが、今回は子連れ登山をする方のために記録を残すことも考え、少し詳しく書こうと思います。
御殿場口五合目を起点として双子山に行くルートは、幕岩・四辻経由でぐるっと回って登る方法と、大石小屋(6合目)を経由して最短ルートで行く方法(6合目まで富士山への登山道と同じ道を歩くルート)の2通りあります。私たちは、御殿場口にアクセスできない冬を除きほとんど幕岩・四辻経由で双子山に登り、大石小屋を経由して下山(時計回りルートを採用)しています。幕岩から幕岩下降点までが急坂のため、ベビーキャリアの場合はここを登りで通過する方が安全度が高いためです。急坂が苦手なかた、ベビーキャリアに慣れていない方は、大石小屋経由のピストンがお勧めです。
今回も幕岩・四辻経由で双子山に登ります。いちばん上の駐車場から富士山に向かって左手(西側)に登山口があります。富士山のシーズン中は大石小屋方面に向かって歩いていく人が多いのですが、つられて同じ方向に行かないように注意が必要です。この登山口の写真は失念しました。
最初少しだけ火山灰の砂利道がありますが、すぐに森林に入ります。緩やかでとても歩きやすく明るい森林です。ベビーキャリアを卒業したばかりの子供を歩かせるにもよい感じの道です。うちの子供も前回は少し歩いたのですが、今回は歩くのイヤイヤで仕方なく父のベビーキャリアに乗せました。
前回(5月)はこの森林にツツジが咲いていました。25分ほど歩くと、上の写真のような道標があり、そこから幕岩まではほぼ平坦なトラバース道になります。
平坦で子供と手を繋いでも歩けるような道ですが、1箇所、沢のようなところが狭くなっています。とはいえ足場がしっかりしているため怖さを感じることはないでしょう。私たちはまだベビーキャリアですが、子供が歩くようになったら見守ってあげる必要があります。
幕岩が近くなると、平坦なトラバース道が終わり、再び緩やかな登りになります。溶岩が流れた跡と思われる岩と森林との境界を登っていくとあっという間に幕岩です。
今回の幕岩の風景です。幕岩はだいたい毎回ランチ休憩している方がいらっしゃいます。広々としているので休憩適地の1つです。晴れて風がなければ双子山頂や、双子山の鞍部も休憩適地ではあるのですが、今回は天気が良くなかったこと、2歳の子供がおなかすいたと言っていたこともあり、幕岩で休憩することにしました。
ちなみに前回(5月)は上の写真のようにツツジが綺麗でした。
幕岩のあたりは岩で凸凹している箇所があるので、少し子供の歩行訓練(?)をしました。子供も楽しかったようで、右側、左側、センターと、色々なコース取りで登ったり下りたりを繰り返しました。その延長線上で、幕岩からの短い急登を登るようにおだてたら登り始めました。父母が前後につきながら、手を貸したりして、なんとか幕岩下降点まで登り切りました!しかし…その急登で疲れたのか、またベビーキャリアに乗りたいといって聞かなくなり、乗せることに…。
幕岩下降点からしばらくは富士山に向かって登っていきます。途中、宝永山方面に延びる登山道との分岐がありますが、右側に進みます。
途中、水は流れていませんが、沢のようなところを通り抜けます。
その沢を過ぎるとしばらく直登になります。ここがこのコースでいちばんきついところです。きついといっても本格的な登山と比べれば楽なものです。少しずつ樹木の高さが低くなり、視界が開けるようになります。
今回はイタドリがちょうど咲き始めたあたりでした。この富士登山のシーズン、砂礫の中できれいに咲いています。
イタドリのアップ。
このあたりは晴れると富士山と宝永山、双子山上塚(上双子山)がきれいに見えるのですが、今回は上双子山が辛うじて見える程度でした。。。
前回(5月)はこのように富士山と宝永山が綺麗に見えていました(富士山と重なるようにそびえる砂礫の山が宝永山)。
ちなみにこちらは3月頃、左側が富士山・宝永山、右側が双子山上塚。春はこのように一面の雪景色です。この時期(11月頃~GW頃)は御殿場口は通行止めとなるため、少し下の御胎内入口から双子山ピストンで登りました。このコースは子連れ雪山の入門としてもお勧めです。
ちなみに12月頃はまだ登山道にはほとんど雪が付いていません。晩秋から冬になる季節の変化を感じます。
直登でこのコースいちばん箇所でもこのように富士山や宝永山、双子山上塚、そして反対側には愛鷹山や駿河湾を見ながらの気持ちの良い登山となるはずですが、今回は我慢の登山です。それでも所々で咲いているイタドリやフジイバラに癒されます。フジイバラを見たのは双子山10回目にして初めてでした。富士山麓に咲く、一日花で有名なサンショウバラのように、原始的なバラは花期が非常に短いのでしょうか…。
四辻から先は双子山に向かってトラバース気味の登山道を歩きます。上の写真はノイバラと双子山下塚(下双子山)のものです。花が見えると子供もベビーキャリアを降りて歩きたがるので、少し歩かせました。ありがたいです。ここのトラバース道も晴れれば非常に良い眺めなのですが…。
トラバース道を少し歩くと、下塚(下双子山)と上塚(上双子山)の分岐に出ます。天気が良ければ上塚に登るという選択肢もあるのですが(ただし標高差150mほどの砂利の急登なのでかなりきついです)、今回は天気がどんよりしているため、すぐに登れる下塚のみに登ります。
鞍部から下塚はあっという間に登ることができます。上の写真は下塚山頂。上塚が辛うじて見えた時に撮影しました。
このあたりも晴れれば富士山・宝永山・双子山上塚(上双子山)が重なるように見えてとても壮観な景色なのですが…。上の写真は9月のものです。
こちらは12月ものもの。
こちらは3月。一面真っ白のため、で双子山上塚と宝永山との境界が少し分かりづらいですが。
双子山から大石小屋(6合目)までの道は砂礫の道になります。今回は下るのみですので全く問題ないのですが、ここを登るのは結構大変です。砂利なので3歩進んで2歩下がるというと大げさですが、それに近いものがあるためです。とはいえ距離はそれほどありません。
所々でホタルブクロが咲いていました。
今回はまだ見ることができませんでしたが、8月後半は富士山を代表する花の1つ、フジアザミが見ごろになります。とても大きく存在感があるアザミで一見の価値があります!
季節を変え計10回登った双子山、名残惜しいですが、恐らく今回が最後となります。子供が0歳の頃から何度も連れて行った山というのはとても思い入れのあるもので、今後気軽に登れなくなるというのはちょっと寂しい気分でもあります。それほど良い山ですので、小さなお子さんがいらっしゃる方も、そうでない方も、ぜひ双子山に登ってみてください。私たちも、子供が少し大きくなって、もう少し気軽に遠出ができるようになった頃に、また子供と一緒に登れるといいな、と思います。
山梨県へ引越しをする理由は、八ヶ岳やアルプスへの眺望やアクセスの良さを狙ってのことですので、今後は山梨県・長野県周辺で子連れ登山向けの山を開拓しようと思います。ぜひ今後の更新もお楽しみに!
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