2023年のゴールデンウィークは立山に行きました。5月3日に立山黒部アルペンルートで扇沢から室堂に入り1泊、翌5/4に立山・雄山に登り弥陀ヶ原におりて1泊、5/5に弥陀ヶ原から扇沢まで戻り帰宅するという予定です。立山は昨年も同時期(ゴールデンウィークの前の週)に登っており、その時の印象がとても良かったので、今回のGWにも旅行先に選びました。
5月5日は朝食後、荷物をホテルに預けて弥陀ヶ原を散策しました。弥陀ヶ原はラムサール条約に登録されている湿地です。雪のない季節は木道の上を歩きますが、積雪期は好きな場所を歩くことができます。
こちらは大日岳方面の景色です。
こちらは室堂方面。弥陀ヶ原からは立山を見ることができませんが、大日岳や室堂山を見ることができます。写真には撮影しませんでしたが、場所や角度によっては薬師岳と思われる山を見ることもできました。
ホテルに戻り荷物をピックアップしたら扇沢方面に向かいます。
ここで室堂まで歩くかバスに乗るか、悩みました。残雪期に弥陀ヶ原から室堂まで歩いた人の情報が全くなかったのです。ヤマレコやYAMAP、ウェブサイトなど色々と調べましたが、山スキーヤーのレコが散見されるだけでした。ホテルの方にも聞きましたが、残雪期に歩く人は滅多におらず踏み跡もないとのことでした(ただし私たちの装備を見て大丈夫だろうと仰る方もいました)。ゴールデンウィークの時期は弥陀ヶ原から室堂方面のバスは予約をしないと乗れない場合もあるようで、バスの場合は早めの判断が必要になります。悩んだ末に歩くことにしました。
ちなみに弥陀ヶ原から室堂までいくルートは2つあり、1つが美松坂コース、もう1つが獅子ヶ鼻岩や天狗の鼻を経由するコースでこちらは鎖場を経由する道になります。後者は情報がほとんどない中、ベビーキャリアではリスクが大きいと判断し、美松坂コースで行くことにしました。
残雪の美松坂コースは出だしが核心でした。美松坂コースは車道の途中から登山道が分かれるのですが、残雪期は「雪の大谷」ほどではないにせよ除雪された雪の壁が2~3mほど(今年は雪が少なめ)の高さになり、そこを登る必要があります。ピッケルを使いながら慎重に登りますが、そこを登ってもしばらくは斜面をトラバース気味に歩くことになりアイゼン・ピッケルが必須でした。急斜面というほどではありませんが、滑落すると勢い余って車道に転落する可能性もあるため、慎重に通過します。今回は雪がしまっており、凍結していなかったのが幸いでしたが、北西斜面のため寒い朝夕などは凍結して危険度が増すかもしれません。
やがて斜度が緩やかになり、木々が少なく眺めの良い道になります。少しホッとします。
天狗平までは緩やかな斜面をトラバースしながら少しずつ標高を上げていきます。踏み跡はないものの、雪はしまっていており、ラッセルの必要はありませんでした。この辺りまでくるとスキーのシュプールのような跡も見ることができました。ゴールデンウィークのためか、車道には何台もバスが行き交っていました。とはいえ一般車の通行はないため時々見かける程度でうるさく感じることはありませんでした。
誰も歩いていない道を歩いていくのは気持ちが良いものです。
標高を上げていくと少しずつ弥陀ヶ原が下の方に見えてきます。弥陀ヶ原の右側は切り立っていて称名廊下が、弥陀ヶ原の奥の山は鍬崎山だと思われます。
天狗平が近くなると弥陀ヶ原とはお別れです。その代わりに剱岳や立山連峰が見えるようになります。室堂からは別山乗越に隠れて剱岳が見えないか部分的に見える程度ですが、天狗平からはバッチリ!見ることができます。これは意外(!)な発見で、歩いた甲斐があったと思いました。
天狗平の積雪は3mくらいでしょうか。バスの天井より少し高い程度です。バスが通った瞬間に大日岳・奥大日岳を背景に撮影しました。
広角で剱岳から立山連峰を撮影しました。この眺めの良い場所でお昼休憩をすることにしました。ゴールデンウィークで非常に人口密度の高い室堂とは違ってほぼ貸切状態!
子供を背負って歩く夫と剱岳を一緒に撮影してみました。
室堂が近くなると立山連峰が眼前にそびえ立ちます。左下に人が大勢いるのは雪の大谷ウォークの折り返し地点だと思われます。
室堂が近くなると雪の大谷やそこを通り抜けるバスを見ることができました。バスよりもはるかに高い高さまで雪が積もっているんですね。
下の写真のバスのいるあたりが雪の大谷で最も高いポイントのようです。今年は12mとのことでした。昨年は18mでしたので、ちょっと少なめのようです。
平坦な道になったので2歳児に歩くように促しましたがすぐにキャリアに乗りたがってなかなか進みません。首に巻いているのは「お気に入り」といって話さなかったの風呂用手ぬぐいです。
天狗平から室堂まではアイゼンやピッケルは必要なく、ほとんど平坦といっても良い斜度で大変歩きやすい道でした。剱岳や立山連峰、雪の大谷という絶景を見ながらのハイキングにもかかわらず、時々スキーヤーやボーダーとすれ違う程度で人が少ないので非常にお勧めです。雪山初心者の方にもお勧めしたい道です。
天狗平から弥陀ヶ原まではトラバース道になるため、雪山に慣れているかたがアイゼン・ピッケル等の雪山装備をした上で行かれる場合でない限りお勧めできません。特に車道への合流点は除雪された雪の壁を超えなくてはいけないため大変です。
室堂から扇沢までは立山黒部アルペンルート経由で戻りました。行きは時間がなく立ち寄らなかった大観峰の展望台にも立ち寄りました。黒部湖の水が青い!いちばん高い山は針ノ木岳だと思われます。そのすぐ左側がスバリ岳、少し離れて赤沢岳、鳴沢岳、岩小屋沢岳だと思われます。
下の写真は針の木岳より南側、船窪岳、不動岳あたりまで写っていると思います。
この大観峰の展望台にいる時、石川県能登地方で震度6強の地震があり、立山黒部アルペンルートが点検のため一時ストップしてしまいました。大観峰では全く揺れを感じませんでした。ロープウェイは異常はなかったようで、30分も待たないうちに動き出しました。点検終了後、ロープウェイもロープウェイの先のケーブルカーも到着・乗降者後するに発車という形で便数を増やして対応して頂いたため、さほど遅くならずに扇沢に着くことができました。
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コメント
初めまして。
今度子ども連れで室堂に行くため参考に見させていただきました。
よろしければ教えていただきたいのですが、オムツの処理はどうされましたか?私も2泊する予定でして、使用後のオムツの行方に悩んでおりました。
こばやし様
お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。今回は少し奮発しまして、ホテルに宿泊しました。
山小屋やテント泊の場合、ゴミは全て持ち帰りになりますので大変悩ましいですね。オムツライナーなどを利用したり、トイトレが進んでいればできるだけトイレを利用するなどして、オムツの消費量を減らすしかないかも知れないですね。