八ヶ岳(にゅう・天狗岳・中山) 白駒池から周回 マタニティ登山① 妊娠5ヶ月

イワカガミと天狗の奥庭 c.マタニティ登山の山行日記
イワカガミと天狗の奥庭

緊急事態宣言も都道府県間の移動も解除されたため、貴重な梅雨の晴れ間を縫って2020年6月20日に白駒池を起点に、八ヶ岳のにゅう・天狗岳(東天狗・西天狗)・中山を周回しました。
妊娠5ヶ月で安定期に入り、少しずつお腹が大きくなり始め、「胎動かな?」と思うような感触が時々出るようになってきました。
こちらのブログには書いていませんが、妊娠4ヶ月の6月5日に愛鷹山に登ったのに続いてのマタニティ登山です。
この投稿から、一眼レフで撮影した山岳フォトではなく、スマートフォンで撮影した写真を織り交ぜながら妊婦目線で登山を伝える日記に変更します。

マタニティ登山の注意点についてはこちらの記事を、マタニティ登山ウェアについてはこちらの記事を、妊娠期間中に行った山行の一覧はこちらをご覧ください。

天狗岳への登山計画を立てるにあたり、唐沢鉱泉からの周回にするか、白駒池からにゅうを含めた周回にするか、桜平からピストンにするか、少し迷いました。
妊娠中ということもあり、またにゅうに登った経験もなかったこともあり、傾斜がいちばん緩やかそうな白駒池からのルートに決めました。
結果論ですが、今回のコースは景色こそ良かったものの、登りは滑りやすい木道や足を取られやすい泥濘が多く、下山コースは岩がゴロゴロしていて転倒の危険性が高いため、妊婦さんには決してお勧めできるコースではありません。
妊婦は斜度や標高差だけでなく、足場の良い安全性の高いコースを調べて選ばなくてはいけないと、改めて肝に銘じるきっかけとなりました。
なお、天狗岳の2646mという標高自体は、その後の妊娠の経過から考えるに、私には特に問題になるようには思いませんでした(高度への強さは人それぞれですので他の妊婦さんにも当てはまるのかは分かりませんが)。

出発は白駒池入口から。朝早かったこともあり、駐車場はガラガラでした。
15分ほど歩くと白駒池へ。周辺はこのような苔の森が広がり、幻想的な風景が続きます。
早朝のためか梅雨のためか、木道は濡れていて滑りやすい箇所がありました。

八ヶ岳・白駒池周辺の苔の森

八ヶ岳・白駒池周辺の苔の森

白駒池からにゅうへ向かう道は白駒池湿原を過ぎると、徐々に斜度のある登りの道となり、木道から泥濘の道へと変わりました。
転ばないように、慎重に進んでいきます。
途中できれいな木漏れ日を見ることができました。

八ヶ岳・白駒池からにゅうへ向かう登山道の木漏れ日

八ヶ岳・白駒池からにゅうへ向かう登山道の木漏れ日

しばらく歩くと開けたところに出てきて、にゅうの先端が見えてきます。
先端部分は岩なので、少しの距離ですが、妊婦にとっては少し慎重に登らなければならない箇所です。

にゅうから先、中山峠までは歩きやすい道が続きます。
この区間はイワカガミが満開で、目の保養にもなりました。
中山峠からはコースタイムの短い東側ルートを選択しましたが、途中、岩場があり、慎重に通過しました。
西側ルートとの合流点の少し手前で天狗の奥庭を背景にイワカガミを見ることができました。

イワカガミと天狗の奥庭

イワカガミと天狗の奥庭

そしていよいよ東天狗に登頂。
貴重な梅雨の晴れ間のためか、山頂は人で賑わっていました。

東天狗からみた西天狗。

八ヶ岳・東天狗からみた西天狗

八ヶ岳・東天狗からみた西天狗

東天狗から阿弥陀岳・赤岳・硫黄岳・根石岳方面。

八ヶ岳・西天狗から見た赤岳・阿弥陀岳・硫黄岳

八ヶ岳・西天狗から見た赤岳・阿弥陀岳・硫黄岳

東天狗での休憩もそこそこに、西天狗へ向かいます。
西天狗の山頂もとても賑わっていました。ここでランチ休憩。

こちらが西天狗からみた東天狗。赤岳や阿弥陀岳は雲がかかり始めてしまい、あまりよくは見えませんでした。

八ヶ岳・西天狗からみた東天狗

八ヶ岳・西天狗からみた東天狗

下山は、天狗の奥庭・黒百合ヒュッテ経由の西側ルートにしました。
登りに使った東側ルートの岩場を避けたかったためですが、この選択が大失敗。
道の大半が岩場で、だから「天狗の奥庭」と名前が付けられているのか…と妙に納得しました。
妊娠前には何とも思わなかったであろう岩場も、妊娠してお腹に別の命がいると思うと、途端に怖くなることを実感しました。

こちらは、天狗の奥庭にあるスリバチ池。
手前にゴロゴロした岩が写っていますが、このような岩の道を通って下山するのです…。

八ヶ岳・天狗岳の奥庭とスリバチ池

八ヶ岳・天狗岳の奥庭とスリバチ池

特に黒百合ヒュッテへの最後の下りは、岩場に加えて急傾斜で、本当に怖かったです。
黒百合ヒュッテはテントでいっぱい、休憩する場所も確保できなかったため、そのまま通過しました。
いつものことなのか、それともコロナ禍なので平時以上にテントの需要があるのでしょうか。

黒百合ヒュッテから中山までは、さほど危険でない道が続きます。
中山で休憩をしたかったのですが、タバコの臭いが充満していたので止めました。
妊娠していなかったら多少のタバコの臭いも気にしませんが、妊娠していると気になってしまいますね。
でも、結果論ですが、この後もとても大変な道が続いたので、ここで休憩しておけば良かった…と思いました。

中山から高見石小屋経由白駒池の道は下山なので楽だろうと甘く見ていたのですが、再び石・石・石の道となりました。
しかも滑りやすいつるりとした石が多かったため、転倒しないように気を付けるだけでなく、着地をソフトランディングしなければいけなくなり(重力任せにドタドタ降りられない)、気も体力も時間も余計に使いました。
中山で休憩できなかったので、高見石小屋までの道がとても長く遠く感じました。
到着したときは足がガクガクで、高見石によじ登る気力も体力もありませんでした。

高見石小屋から白駒池までもとても長く感じられましたが、少し足を滑らせる場面がありながらも転倒することなく白駒池に到着。
とても晴れていて、気持ちの良い眺めでした。

八ヶ岳・白駒池

八ヶ岳・白駒池

何とか無事に帰ってくることができ、翌々日の妊婦健診でも赤ちゃんが元気でしたので、結果オーライではあるのですが、天狗岳は妊婦さんには決してお勧めできる山ではありません。
自分は下山が早く得意だと過信していた部分もありましたが、妊娠中は全く別人になったと思わなくてはいけないと痛感しました。
妊娠中は転んではいけない、衝撃を与える着地をしてはいけないため、特に岩場の下山では妊娠前と比べ物にならないほど筋力・体力を使うからです。

天狗岳は冬に一度渋の湯温泉から登ったことがありますが、夏も白駒池からのコースも初めてでした。
初めてだったために他の登山者のヤマレコなどを参考に計画を立てましたが、妊娠していない人が安全と感じる場所でも妊婦にとっては危険になることを実感しました。
自分が歩いたことのないコースを妊娠中に歩くことのリスクを思い知らされた山行となりました。

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白駒池からにゅう・天狗岳

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